ドライバーは、装着されたシャフトの性能で飛距離や方向性に大きな影響を与えます。
特に、あなたに合った、シャフトの硬さ(フレックス)、シャフトの長さ、シャフトの調子、シャフトの重さなどは、シャフト選びでは、大きなポイントになるので、しっかり押さえておきましょう。
パッと読むための目次
シャフト選びの5つのポイント
Point1 シャフトの硬さ(フレックス)
シャフトの硬さを判断する基準としてフレックスがあります。
フレックスには、大まかに、次の種類があります。
フレックスの種類
L(レディース)
Lは、「リンバー」または「レディース」の略です。
非力な女性向けのシャフトという位置づけで、柔らかいシャフトです。最近のシャフトの中には、LL(ダブルL)と呼ばれるさらに柔らかいシャフトもあります。
A(アベレージ)
Aは、「アベレージ」の略です。
一般的な女性やシニア向けのシャフトという位置づけで、「L」に次ぐ、柔らかさです。
R(レギュラー)
Rは、「レギュラー」の略です。
パワーヒッターの女性や「平均的」なヘッドスピードの男性ゴルファー向けのシャフトという位置づけです。
SR(スティッフ レギュラー)
SRは、「スティッフ・レギュラー」の略です。
レギュラーより、少し硬めのシャフトで、ややヘッドスピードが早めの男性ゴルファー向けのシャフトという位置づけです。
S(スティッフ)
Sは、「スティッフ」の略です。
ヘッドスピードが速いゴルファー向けのシャフトという位置づけです。
男性ゴルファーはの多くは、なぜか「R」シャフトを避け、「S」シャフトを選びたがる傾向にあります。
X(エクストラ)
Xは、「エクストラ」の略です。
プロや競技用ゴルファーなど、ヘッドスピードが特に速いゴルファー向けのシャフトです。一般ゴルファーには、しなりをまったく感じることができない単なる棒です。
L → A → R → SR → S → X の順にシャフトが硬くなっていくということです。
硬いシャフト・柔らかいシャフトのメリット
硬いシャフトのメリット
- 「しなり」や「ねじれ」が少ない
- 低い弾道の球が打てる
- 球筋をコントロールしやすい
柔らかいシャフトのメリット
- 「しなり」が大きく、切り返しのタイミングがとりやすい
- 球が上がりやすい。
- ゆったりとしたリズムで振りやすい
シャフトのフレックス(硬さ)の選び方のポイント
ヘッドスピード
ヘッドスピードを基準にしてフレックスを選ぶことが重要です。
ヘッドスピードとフレックスが合っていないとどういうことが起きるかと言うと、例えばヘッドスピードの速い人が、RやAを使うと、シャフトがしなりすぎて必要以上にヘッドが返ってしまったり、球が上がりすぎて飛距離をロスしたりしてしまうことが多いようですね。
逆に、ヘッドスピードがない人がフレックスXのシャフトを使ってもシャフトが全くしならず、右へのミスが多くなるようです。
ただ、結構勘違いしている人が多いのですが、無理に硬いシャフトを使っても飛距離は、伸びません。
なんだか、Rシャフトを使っていると、非力呼ばわりされるような雰囲気ですが、元々RはレギュラーのRです。
ほとんどのアマチュアゴルファーはRシャフトで十分です。~伊沢利光~
特に、飛距離を伸ばしたいならば、シャフトのしなりは必須となります。
Rなどの柔らかいシャフトをしならせることで、ドロー系のボールを打つことができるように、硬いシャフトのほうが飛距離が出るということにはなりません。
一度、ヘッドスピードを測り、あなたのヘッドスピードに合ったフレックスかどうか確認してみることをおススメします。
参考までに、ヘッドスピードごとのフレックスの目安です。
【フレックスごとの推奨ヘッドスピード一覧】
シャフトのフレックス | ヘッドスピード |
L | 34m/s以下 |
A | 32~38m/s |
R | 38~46m/s |
S | 42~50m/s |
X | 46~52m/s |
シャフト選びはフレックスだけで判断することはできません。シャフトの「重さ」や「調子」、あなたのスイングリズムなどと合わせて、総合的に判断する必要があります。
スイングのリズム
スイングのリズムによってもフレックスを考える必要があります。
基本的には、スイングのリズムがゆっくりなゴルファーは、1ランク柔らかいフレックスを使った方が合います。
その逆に、スイングのリズムが速いゴルファーは、1ランク硬いフレックスを選んだ方が合います。
シャフトの硬さは、ヘッドスピードよりもスイングリズムで決めるのが良いという説もありますから、参考にしてみると良いかもしれませんね。
弾道
あなたの弾道の高低によって、シャフトの硬さを選ぶというのも選び方の1つです。
もしあなたが今よりもっと高い弾道が打ちたいなら、今のドライバーのシャフトより柔らかいシャフトに変えることで、高い弾道の球を打てるようになります。
その逆に、あなたが今よりもっと低い弾道を打ちたいなら、今より硬いシャフトに変えることで、抑えた弾道の球を打てるようになるでしょう。
Point2 シャフトの調子(キックポイント)
調子とは、シャフトがスイング中に曲がりやすい場所を指します
調子とは、スイングをした時にシャフトが曲がる(しなる)部分を指します。
「キックポイント」とも呼ばれます。
この調子(キックポイント)は、手元からクラブ先端に向かって、
「元調子」 → 「中調子」 → 「先調子」と、
大きく分けて3つの曲がる(しなる)ポイントがあります。
「ボールの上がりやすさ」・「ボールのつかまりやすさ」・「タイミングの取りやすさ」など基準に、どの調子(キックポイント)にするのかを選ぶことになります。
先調子とは
先調子はシャフトの先のほう、つまりクラブヘッドの近くが一番しなるということです。
先調子のシャフトの特徴
・ボールがつかまりやすく、フックしやすい
・打ち出し角度が高くなるため、球が上がりやすい
つかまりが良く、ドローを打ちやすく、高い球が打ちやすいという点です。ヘッドが安定しにくいというデメリットがあるので、リストターンを多く使うゴルファーやヘッドスピードの速い人には向きません。
元調子とは
元調子は、手元のほう、つまり、グリップ寄りが一番しなります。
元調子のシャフトの特徴
・ボールがつかまりにくく、スライスしやすい
・打ち出し角度が低くなるため、球が上がりにくい
つかまりが悪くフェードを打つのに適しているという点です。
もともとボールが上がりにくいため、ヘッドスピードが遅い人は、さらに球が上がらなくなるので、注意が必要です。
中調子とは
中調子のシャフトの特徴
中調子は、元調子と先調子の中間に位置します。
特徴的なクセがなく、どのゴルファーのタイプにもマッチします。
フックやスライスのミスを、調子(キックポイント)で調整せずに、クセのないスイングを習得したいゴルファーは、中調子のシャフトを選ぶといいでしょう。
Point3 シャフトのトルク
トルクとは、シャフトのねじれ具合を数値で示したものです。
シャフトを固定して、シャフトの先端に一定の負荷をかけた時のねじれる角度のことをいいます。
スイング中、フェースは「開いて閉じる」という動きをします。
簡単に言うと、トルクの数値が大きいほど、ねじれやすくなり、その「開いて閉じる」という動きが大きくなるということです。
また、トルクが大きいということは、ヘッドの動きが鈍感になるということです。鈍感になるということは、悪いことのようですが、ことゴルフに関しては良いことなのですよね。
手が余計な動きをしても、ヘッドがしっかりと構えた位置に戻りやすいということです。
へッドスピードの遅いゴルファーや、打ち出し角度が低いゴルファーなどは、トルクの大きいシャフトが合うでしょう。
逆に、トルクが小さいとヘッドが敏感になり、操作性が良くなります。
球を曲げたい上級者や、ヘッドスピードの速いゴルファー、打ち出し角が高いゴルファーなどは、トルクの小さいシャフトが合うでしょう。
初心者は、できるだけ最初はトルクの大きいものを使った方が良いかと思います。
トルクの目安は以下のとおりです。
タイプ別ゴルファー | トルク |
プロ・ハードヒッター | 3.0度以下 |
一般ゴルファー | 3.0度~5.0度 |
シニア・レディース | 5.0度以上 |
Point4 シャフトの重さ
シャフトを選ぶ基準で、とても大切なのが、「重さ」です。
あなたの力で振りきれないような重いシャフトでは、当然、ヘッドスピードは上がりません。
かとって、あなたの力では軽すぎるシャフトでは、ヘッドスピードは上がりますが、ボールへの衝撃が少なくなり、思ったほど飛距離は出ません。
つまり、クラブ(シャフト)の重さの基準は、あなたが振りきれる範囲で、できる限り重いものを選ぶことです。
シャフトの重さといっても、30g台~90g台まで結構、幅があります。
シャフトの重さに関して、一般的には、力のある人=重いシャフト、非力な人=軽いシャフトというイメージはあっても、「何グラムが自分にとって最適か」という具体的な基準を知っている人はあまりいないでしょう。
シャフトの重さを選ぶ基準は、ヘッドスピードによります。
振れる範囲でできる限り重いシャフトを選ぶためには、ヘッドスピードを計測しましょう。
以下に、ヘッドスピードごとの「最適なシャフトの重さ」の目安をお示ししておきますので、参考にしてください。
ヘッドスピード | シャフトの重さ |
38~40m/s | 35~40g |
40~42m/s | 40~50g |
42~45m/s | 50~60g |
45~48m/s | 60~70g |
48m/s~ | 70~85g |
それぞれのヘッドスピードごとの目安でも、10gの差はありますが、試してみるとわかりますが、「たったの10グラムでも、ものすごく重くなった」ような気がするはずです。
実際に、振ってみて、試打をした時に、「振り切れる範囲内で、重いシャフト」を感じることが大切です。
重いシャフトをしっかりと振らなければという意識が働きすぎて、力んでしまうということがありますので、その点だけは注意してください。
Point5 シャフトの長さ
シャフトの長さは、物理的に考えれば、長くなるほど、遠心力が働くため、飛距離は伸びます。
ただ、シャフトが長くなる分、操作性は低くなるため、ミート率が下がります。
ヘッドスピードが上がっても、ミート率が悪ければ、飛距離は出ませんし、ミスショットにもつながります。
飛距離を伸ばしたければリスクも大きくなるといったところでしょうか。
女子プロゴルファーはヘッドスピードはそれほど速くなくても、効率よく飛ばせるのは、ミート率が高いからです。
なので、「飛距離不足をなんとかシャフトを長くすることでカバーしたい」という人以外は、短めのシャフトをおすすめします。
プロゴルファーたちのドライバーのシャフトの長さ
プロゴルファー別ドライバーのシャフトの長さ一覧
シャフトの長さ (インチ) |
プロゴルファー | 身長 |
47 | 片山晋呉 | 168 cm |
46.5 | 谷原秀人 | 178 cm |
46.25 | 宮里聖志 | 166 cm |
46 | 石川遼 | 175 cm |
45.75 | 近藤共弘 | 167 cm |
45.5 | ミケルソン | 191 cm |
45.25 | マキロイ | 175 cm |
藤田寛之 | 168 cm | |
池田勇太 | 176 cm | |
45 | 藤本佳則 | 165 cm |
宮里優作 | 170 cm | |
星野英正 | 180 cm | |
44.75 | 松山英樹 | 180 cm |
横尾要 | 176 cm | |
44.5 | ババ・ワトソン | 191 cm |
宮本勝昌 | 174 cm | |
矢野東 | 176 cm | |
44.25 | 小平智 | 172cm. |
プロゴルファーの中でも、一番シャフトが長い片山晋呉プロと、一番シャフトが短い小平智プロの差は、2.75インチ(約6.9cm)もあります。
もちろん、シャフトの長さを選ぶ基準は、身長ではないようです。
プロゴルファーのドライバーのシャフトの長さは、「44.5インチから45.25インチ」に集中しています。
ゴルフショップで売られている多くのドライバーのシャフトの長さの基準としては、45インチ以上が長いドライバーとされているようですね。
シャフトが1インチ短くなると、飛距離にして、「5ヤードから10ヤード」落ちるといわれますが、ドライバーは、「攻めのクラブ」ではありません。むしろ「守りのクラブ」です。
ドライバーでは「OB」を打たないためには、飛距離を犠牲にしてでも、短めのシャフトがおススメです。
逆に言えば、「スコアメイクは関係ない!ドラコン狙いで一発勝負!」というあなたは、長めのシャフトでもいいとは思いますが・・・。
いろいろな長さのシャフトを試して「振り切りやすい長さ」を体感してみるのもいいでしょう。
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