多くのプロゴルファーの練習でも取り入れられている「左打ち練習」。
この「左打ち練習」はプロゴルファーが行う特別な練習ではありません。
アマチュアゴルファーにもぜひ取り入れてほしい練習の1つなのです。
「スイング改造したいけれども、どうしていいかわからない…」
そんな悩みを抱えているなら、ぜひ「左打ち」に挑戦してみてください。
賞金王にも輝いた片山晋呉プロのコーチを務めたこともある江連忠プロもこう言っています。
ただ、やみくもにボールを打っているだけでは、効率的にゴルフの技術を向上させることはできません。
左打ちの練習をすることで、短時間でゴルフの技術が飛躍的に向上する可能性があります。
ということで、今回は、「左打ち練習」というゴルフ練習法を紹介します。
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パッと読むための目次
左打ち練習をするプロゴルファーたち
左打ちを練習に取り入れるプロゴルファー
左打ち練習は、プロゴルファーも採用している効果的な練習方法です。
片山晋呉プロは、練習方法のバラエティが多いことで有名ですが、かなり前から「左打ち練習」を採用しています。
世界の松山英樹も左打ち練習法を採用しているようですし、日本人として5人目のPGAツアー優勝者でもある小平智プロも左打ちの練習を取り入れています。
さらに、女子プロゴルファーでは、成田美寿々、アンソンジュなどトッププロが左打ち練習方法を取り入れています。
このような現実を見ると、左打ち練習法はかなり効果的な練習方法だと言えるでしょう。
左右両打ちの異色のプロゴルファー
「左右両打ち」という異色のプロゴルファーが高橋慧(たかはし・けい)プロです。
出典:GDO
「2019関西オープンゴルフ選手権」で決勝ラウンドに進んだ高橋プロは、左右両打ちの「二刀流」を披露しています。
予選ラウンドでは6番と8番アイアン、PWの3本の左用クラブを用意。決勝ラウンドでは6番アイアンを抜いて左用ドライバーを投入するという離れ業。
【左右モデルのドライバーを入れた高橋慧プロのクラブセッティング】
出典:GDO
ドライバーは、「右と左のどっちで打っても変わらない」といい、その飛距離はいずれも285yd前後だというから驚きです。
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左打ち練習の3つの効果
では、左打ちの練習をするとどのような効果(メリット)があるのでしょうか?
左打ち練習の3つのメリットをご紹介します。
体のバランスを整える
ゴルフスイングは一方向に体を強く振っていくため、「歪み」の原因となります。
腰痛や肩痛など身体の故障につながる恐れもあるため、ゴルフスイングにおいて生じる「歪み」は、その都度、解消したいものです。
その歪みの解消に役立つのが、「左打ち」なのです。
片山晋呉プロが左打ちを取り入れた大きな理由の1つとして、この「歪み」を解消することだと言われています。
プロ転向後、3年目の1997年に初シードを獲得するも、翌年春に椎間板ヘルニアの手術を受けて復帰が危ぶまれた経験を持つ片山プロだからこそ、左打ちの重要性を誰よりも認識していたのかも知れません。
元オリンピックトレーナーでもあるスポーツドクターは、「ゴルフの練習後は左打ちの素振りをしなさい。」と左素振りを推奨しています。
これは、一方向でのスイングによってズレた身体を逆方向の素振りで元通りに整える効果があるということを医学的に明言しているといえるでしょう。
実際にボールを打たなくても、左打ちの素振りをするだけでも「歪み」を防止する効果が期待できますので、ぜ普段の練習から取り入れてみてください。
気づきを得る
左打ちの大きなメリットの1つに「右打ち」では気づかない部分がわかるということです。
「左打ち」は考えながら体を動かすことができないために、右打ちでは気づかないポイントに自分で気づくことができるのです。
特に、左打ち練習の最大の効果は、左手主導のスイングを身につけることができるという点があります。
右利きのゴルファーがボールを曲げてしまう原因として、右手の使いすぎという点がありますよね。
右利きのゴルファーがスイングをすると、どうしてもターゲットから遠い右手主体のスイングになってしまいます。
ところが、本来のゴルフスイングはターゲットに近い左手を主体にしたスイングの方がパワーも方向性もでます。
それはターゲットに近い方の腕を主体にした方が、体幹が使いやすくパワーが出やすいという理由があるからなのですが、理屈はわかっても体がどうしても器用な右手に頼ってしまいます。
そこで「左打ち」をして器用な右手をターゲットに近い側にすることで、理想的なゴルフスイングを体感することができます。
また、左打ち練習では肩が開かなくなるというメリットがあります。
右利きゴルファーのスイングで必ず直さなければならないのは肩の開きです。
肩の開きはスライスを誘発します。
左打ち練習をしてみるとわかると思いますが、左打ちすると肩が開かないことがわかると思います。
ちなみに、成田美寿々プロは、「体のバランスを整える」という理由の他に、左打ち練習を取り入れた理由を次のように説明しています。
「フォローでの左ひじを上手く使うためには、左打ちのバックスイングと同じように左手を使う」ということです。
このように、左打ち練習には、右打ちではわからなかったスイングのポイントに気づくことができるのです。
慣れない左打ちで新鮮な気持ちに戻ってゴルフのスイングの改善点を確認するという意味でも左打ち練習は効果的な練習方法なのです。
左打ちが必要なシーンに対応できる
ゴルフのラウンドでは、まれにスイングができない状況があります。
出典:GENTEN GOLF
このような状況では、軽く横に出すか、ルールを無視してボールを動かすしかありません。
しかし、普段の練習から左打ちの練習をしていれば、このような状況においても、左打ちでショットすることが可能となります。
出典:GENTEN GOLF
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左打ちでのアプローチ
グリーン周りのアプローチも右手が邪魔をする場面の1つです。
ザックリなどはその典型例ですね。
私にも経験がありますが、ザックリのミスはアプローチのミスの中でも最も嫌なミスですよね。
ザックリなどのミスが多い人は、左手主体のスイング。
つまり、左手でボールに合わせるようなスイングを身につけることが大事です。
そのためには、やはり左打ち練習が効果的です。
ラウンド本番では、バンカーでスタンスが取れない時など、左打ち練習が役立ちます。
出典:GDO
逆打ちで練習するのも良いですが、左手一本でアプローチをする練習も効果的です。
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左打ち練習のやり方
右用のクラブで行う
手っ取り早く、左打ちの練習を行う方法として、今使っているクラブを裏返して使う方法があります。
プロゴルファーなら、この打ち方でも器用にボールを打つことができますが、アマチュアゴルファーにはかなり難易度が高い打ち方になります。
この打ち方で行う場合は、「トラブル脱出用」として、スリークウォータースイングくらいの振り幅を限度として練習してみましょう。
左用クラブで行う
実際に左用クラブを購入し、本格的に左打ちを練習するものです。
左用クラブは中古ショップへ行き、バラ売りのクラブを探せば2000円程度で手に入れることができます。
使用クラブは7番アイアンくらいがいいでしょう。
片山晋呉プロのコーチをしていた江連忠プロも生徒には必ずやらせる練習の1つのようです。
左打ちで現れる悪い動きの中には、右打ちの悪いクセを見つけるヒントが詰まっていますから、試してみてください。
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まとめ
ゴルフの練習の難しいところは、頭ではわかっていても体で理解できないということです。
ボクもゴルフを始めたころは、自分ではやっているつもりでもできていないということが多かったような気がします。
今回紹介した左打ち練習方法は、
- 身体のバランスを整える
- 左手主体のスイングを体感することができる
- スライスの原因である肩の開きを改善することができる
- ラウンドのあらゆるシーンに適用できる
というメリットがあります。
そして、頭では理解しても体が理解してくれない部分でもあるのです。
このほかにも左打ち練習をすることで今まで気づかなかった部分に気づくことができる可能性もあります。
「左打ち練習」は難しいものですが、効果的な練習方法ですので、ぜひ、試してみて下さい!