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高麗グリーンとベントグリーンの特徴をまとめてみた!
ゴルフ中継を見ていると、海外と日本のゴルフ場はテレビ画面越しにも違いがよくわかります。
そのうちの一つが「グリーンの芝の違い」です。
季節や気温の違いもありますが、海外のグリーンは比較的きれいな緑色に映ります。
反対に寒い時期の日本のグリーンは、少し枯れた色合いに映ります。
これは、芝の種類が違うためです。
海外のゴルフ場では、グリーンに「ベント芝」を使用します。
日本のゴルフ場でも近年はベント芝を使用したグリーンが増えつつありますが、日本特有の高麗芝を使用したグリーンのゴルフ場もまだまだ存在しています。
ベント芝と高麗芝のグリーンではそもそも芝の種類が異なるため、ゴルフのパッティングはかなりの影響を受けてしまいます。
ということで、今回は高麗グリーンとベントグリーンの特徴をしっかり理解し、どちらのグリーンも完全攻略してしまいましょう!
ベント芝の特徴
まずはじめにベント芝の特徴についてご説明していきます。最近ではグリーンに「ベント芝」を使用しているゴルフ場が多くなってきており、グリーンに使われる芝としては「主流」です。
ベント芝は芝目が弱い
ベント芝の最大の利点は、「芝目が弱い」点です。
芝目とは芝が生えている方向の事です。
一見すると真っすぐ生えているように見える芝ですが、実際には微妙に傾いて生えています。
これを「芝目」と言います。
芝目は、高い山が近くにあると山頂から遠ざかるように流れます。
池などが近くにあれば池に向かって芝目が流れやすくなります。
グリーン上の芝目の読み方については、こちらに詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
こういった芝目はベント芝よりも高麗芝のほうが強く出ます。
そのため、高麗芝のグリーンは芝目の影響をしっかりと読んでパッティングする必要があります。
ベント芝は高麗芝より芝目の影響が少ないため、距離感と傾斜をよむことが出来れば高麗芝より簡単に感じるかと思います。
ベント芝は季節の影響を受けにくい
ベント芝は季節の影響を受けにくいのが特徴です。
寒い時期でも熱い時期でも同じような状態を保てるので、パッティングも同じ感覚で打つことが出来ます。
ボールの転がるスピードが様々
ベントグリーンの問題点は、ボールの転がるスピードが芝の刈状況に大きく影響を及ぼす点です。
芝が短い際にはかなり転がり、少し芝が伸びると一気にスピードが落ちます。
そのため、ゴルフ場ごとにスティンプ(※)が何フィート転がるのかを把握するのが難しくなります。
どちらかと言えば、日本の高麗芝より速いグリーンになることが多いので、慣れるまでは苦労します。
また、苦労するのはパッティングだけでなくアプローチも同様です。
アプローチは常にサンドウェッジを使用してランの少ないショットを求められ場面が増えます。
ベント芝はグリーンキーパー泣かせ
ベント芝は手入れが大変な点も問題点です。
ボールマークやスパイクマークがつきやすく、グリーンキーパー泣かせの芝です。
ベント芝に限ったことではないですが、グリーンでは走らない、足を引きづらない、ボールマークやスパイクマークはきちんと治す、こういったグリーンのマナーが大切になります。
スルーザグリーンでのベント芝はダウンブローが鍵
グリーン以外のスルーザグリーン(ティーからグリーンまでの間の、バンカーなどのハザードを除いたすべての部分)でも、ベント芝を使用しているゴルフ場は増えてきています。
スルーザグリーンにベント芝を使用しているゴルフ場では「ボールが沈みやすい」という特徴があります。
そのため、フェアウェイやラフに関係なく、しっかりとダウンブロー(クラブヘッドが上から下に下降する軌道の最中にインパクトする)に打ち込むことが必要不可欠です。
普段のショットの際、しっかりとボールの先のターフが取れるようなショットが打てていれば問題ありません。
芝を薄くしか取れないショットの人は、海外のベント芝ではトップボールが多発するかもしれません。
アプローチも同様で、しっかりと芝の下まで打ち込むことが大切です。
救い上げようとするとボールの下までクラブフェースが入らず、ミスショットにつながります。
高麗グリーンの特徴
別名「和芝」とも呼ばれる高麗グリーンは、日本特有の芝です。
海外のゴルフ場では「ベント芝」が主流となります。
この高麗芝とベント芝の違いが、日本と海外で行うゴルフの最大の違い(感触)を生みます。
近年は海外のゴルフ場と同じベント芝を使用したゴルフ場も増加傾向にありますが、高麗芝を使用しているゴルフ場も少なくありません。
その理由は、高麗芝には次のような特徴があるからです。
すぐに生えてくる
高麗グリーンの特徴の一つが、生育の速さです。
毎日刈り込む必要があり、夏場は朝と夕方ではグリーン状況が変わってしまうほどです。
毎日刈り込まなければいけないとデメリットだと思うかもしれませんが、アマチュアゴルファーがゴルフを楽しむにはメリットもあります。
高麗芝は、毎日刈り込まなければいけないほど発育が速いので、グリーンの速さの調節がしやすいのです。
短く刈り込んだ芝のグリーンはとても速くアマチュアゴルファーにとっては難関グリーンとなってしまいます。
特にアプローチを寄せるにはスピンを使用するため技術力が必要です。
芝目が強力
高麗グリーンはベント芝に比べ、芝目が強力です。
使用される「姫高麗」と呼ばれる芝が強力な芝目を持ちます。
その理由は、葉と茎が一定方向に生えそろうためと言われています。
芝目が強いということは、パッティングの強さと芝をよむ経験値が重要になります。
芝が順目の時はよく転がってスピードが出やすく、反対に逆目なら転がらずにスピードが落ちます。
傾斜に対する曲がりにも影響が出ます。
フック傾斜に対して順目の場合、傾斜の量より大きく曲がります。
反対の逆目は、見た目の印象ほど曲がらないといった結果になります。
傷みにくい
高麗グリーンは芝目が強いため、痛みに強いメリットがあります。
ボールマークやスパイスマークがつきにくいので、手入れをする観点からいえばとても大きなメリットになります。
しかし、ボールマークがつきにくい丈夫な芝にはデメリットもあります。
スピンがかかりにくく、アプローチでコントロールすることが難しくなる点です。
特にランを出すアプローチでは芝目の強さが影響して、ランの予測が難しくなります。
季節に影響される
日本の夏は暑く冬は寒い、季節により気温や湿度が大きく変わります。
高麗グリーンは寒い冬の時期には枯れてしまい、茶色の芝になります。
海外で使用されるベント芝は冬でも緑色をキープすることができるので、緑の美しいグリーンを保つことが出来ます。
寒い季節には枯れにくいベント芝が、手入れがしやすいといえます。
水はけが悪い
高麗グリーンの難点は水はけの悪さです。
雨が降ったあと、グリーンが完全に乾くまで時間がかかります。
水を含むとグリーンが一気に遅くなるので、水分量をパッティングの強弱の計算に入れなければなりません。
高麗グリーンの攻略法
素直なストロークと距離感で対応できる「ベント芝」と違い、クセのある高麗芝を攻略するためには、次の3つの方法が有効です。
強い芝目に負けない強めのストロークを
芝目が強力な高麗グリーンは、ベントグリーンに比べ、強めのストロークが必要になります。
普段のパッティングを一定のリズムとテンポで行っている人が、強めのパッティングを行うためには、「振り幅を大きくする」ことができれば簡単なのですが、ベント芝の感覚に慣れている人は、どうしてもカップまで距離に対して打ちきれません。
理由は「(強めのパットは)オーバーしてしまいそうで怖い」からです。
しかし、芝の特徴を理解し、強めに打たないとカップに届かないことを認識してパッティングに臨みましょう。
どうしてもショートしてしまう人は…、
- カップの奥に目標を設定する
- リズムを早くする
強めにパッティングするためには、これらの方法が有効です。
特に、リズムを早くすることは、「スイングスピードを上げる」ことです。
「イ~チ、ニ~」のリズムで打つのと、「ワンツー」のリズムで打つのでは、いつもと同じふり幅でも結果は大きく変わります。
ロングパット曲がり幅は大きめに予測する
芝目が強力な高麗グリーンは、ベントグリーンより曲がりやすいのが特徴です。
ロングパットやラインを読む必要があるミドルパットでは、ベントグリーンと比べれば曲がり幅は大きめに予測するのがポイントです。
ショートパットはラインを消す
ロングパットやミドルパットとは逆に、1m程度のショートパットでは「ラインを消す」ことが必要です。
ラインを消すとは、芝目や傾斜などのラインなどは考えずに、直線的にパッティングすることを言います。
ジャストタッチで打つと、カップの手前で芝目の影響をもろに受けます。かといって、ショートパットのラインを大きめに読んでいたのではなかなかカップインすることはできません。
「ショートパットは強めにまっすぐ!」が高麗グリーンの攻略法です。
まとめ
以上「高麗グリーンとベントグリーンの違い」と攻略法をお伝えしました。
ベントグリーンが多くなってきたとはいえ、まだまだ高麗グリーンのゴルフ場もあります。
それぞれの芝の特徴を理解し、グリーン攻略しちゃいましょう!
「今日のゴルフ場は高麗グリーンだからタッチが合わなかった」などと言い訳をしていたのでは、いつまでたってもうまくなれませんよ~!
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